WBA世界フライ級暫定王者となった江藤光喜(25=白井・具志堅)が、一夜明けた2日にタイ・バンコクから凱旋(がいせん)した。タイでの世界戦で19戦目にして日本人初勝利の金星。ほとんど傷のない顔が快勝を示す。出発時1人の報道陣が7人に増え、「実感が湧いてきた。素直にうれしい」と初々しかった。

 ゴング前に熱中症になりかけ、最終回は10秒短かった。そんなハンディも「勝ったからもういい」と笑顔。「中盤は心が揺らぎ、判定で負けと思った。支えてくれたチームの勝利」と感謝した。

 双子の弟大喜は昨年、東洋太平洋王座を逃した。宮崎で寝たきりの祖父に「ベルトを見せる約束が果たせる」と喜ぶ。今後は正規王者レベコ(アルゼンチン)と統一戦が第一目標。「夢はかなう。ここからチャンピオンロードが始まる」と目を輝かせた。