<全日本:名古屋大会>◇30日◇愛知県体育館

 3冠ヘビー級選手権は、挑戦者曙(45)が王者ドーリングに敗れ、ベルト奪回はならなかった。パワーで圧倒したが、最後はパイルドライバーで失神し、完敗を喫した。

 王者をあと1歩まで追い詰めながら、パイルドライバーでリング中央に横たわった。不整脈から急ピッチで復活を果たしたが、ベルト奪回ができるほど完璧には体調が戻らなかった。無念さを象徴するように、曙は無言のまま控室に引き揚げた。大相撲名古屋場所も開催される会場に、心強い援軍も来ていた。88年春場所入門の同期生、田中信一さん(42=元序二段若田中)と、島口広幸さん(42=元幕下琴剣山)の2人だ。島口さんは「今日はチャンピオンがかかっているから、同期生のみんなから応援してこいと言われた」と話した。懸命の応援も、勝利には結びつかなかった。