JPBAが世界挑戦に日本、東洋王者限定

 日本プロボクシング協会(JPBA)は16日までに、世界王座挑戦資格に、日本王座、東洋太平洋王座いずれかのタイトル獲得を条件付ける方向で動き出した。日本人最年少世界王者を狙った亀田大毅(19)は先月、日本、東洋太平洋王座を取らずにWBC世界フライ級王者内藤大助に挑戦。一方的な展開となっただけでなく、反則騒動も起きた。挑戦資格を設けることで世界戦の権威を守り、国内タイトル戦の活性化も狙う。来月23日のJPBA理事会で決まれば、来年から施行される。

 安易な世界挑戦は許さない。JPBAは世界挑戦に、東洋太平洋王座、日本王座獲得者との厳格なハードルを設けることで検討に入る。先月の内藤-大毅戦が大きなきっかけになった。結果は内藤の大差判定勝利。大きなポイント差にいら立ちを隠せない大毅が、最終12回にレスリング行為の反則を犯してしまった。世界戦の権威を守るためにも、ルールづくりが必要との声が多くなった。

 約20年前には「世界挑戦は日本王座か東洋太平洋王座獲得者に限る」との内規があった。内規廃止後も、同様な申し合わせをした時期もあったが「世界ランカーなのに世界挑戦できないのはおかしい」との意見もあり、なし崩しになっていた。同時に最近は、実力が落ちた世界ランカーに勝って世界ランク入りする例も目立つ。かつての内規復活の意見も根強かった。

 世界挑戦へのハードルは世界戦の権威を守るだけではない。東洋太平洋、日本王座戦が「世界挑戦者決定戦」の意味を持つため、国内のタイトル戦も活性化する。JPBA関係者は「日本、東洋を取って世界へとの流れをあらためて確認したい。それがボクシング界の盛り上がりにもつながる」と話した。

 すでに東日本ボクシング協会の人気高揚推進委員会が今回のプランを提案。今後は来月23日のJPBA理事会で話し合われる。理事会でまとまれば、来年にも「国内タイトルを取って世界へ」との「世界挑戦資格」が決まる。[2007年11月17日8時30分

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