国体準Vプロボクサーが傷害で逮捕

 プロボクサーの坂本大輔容疑者(26=角海老宝石)が警視庁捜査1課と上野署に傷害容疑で逮捕されていたことが7日、分かった。昨年12月21日、上野駅不忍改札で、帰宅途中だった会社員(41)と肩がぶつかったとしてトラブルとなり、顔と腹を拳で殴って転倒させ、頭部骨折などの重傷を負わせた疑い。当時、酒に酔い、先に手を出した会社員も暴行容疑で書類送検された。同容疑者はアマ実績のあるスーパーライト級の期待の選手だった。

 坂本容疑者は昨年12月21日午後11時10分ごろ、上野駅不忍改札付近で、帰宅途中だった会社員とぶつかって口論となった。胸ぐらをつかまれて引きずり回されたことに腹を立て、会社員の顔を1回殴って転倒させ、後頭部骨折の重傷を負わせた。

 会社員が重傷を負ったことは知らず、その場から立ち去った。だが、駅の防犯ビデオの映像から、同駅周辺でアルバイトをしていた坂本容疑者が浮上、今月5日に逮捕された。調べに対して坂本容疑者は「着ていたジャンパーやネックレスが切れ、かっときてやった」と供述。交際相手からのプレゼントだったこともあり、怒りを隠せなかったようだ。

 坂本容疑者は将来を期待されたボクサーだった。千葉・習志野高3年時には熊本国体で準優勝。拓大を経て昨年5月、スーパーライト級で角海老宝石ジムからプロデビュー。今月28日には日本ランカーを勝ち取るため、日本同級10位中村徳人(相模原ヨネクラ)との対戦も決まっていた。同ジムでは、かつて元世界王者畑山隆則と激戦を繰り広げた同ジムの元東洋太平洋ライト級王者坂本博之(現トレーナー)に重ね「坂本2世」として売り出す計画だった。

 普段はまじめで、練習も熱心だったため、同ジム関係者からは同情を寄せる声も出ている。坂本容疑者に殴られた会社員(41)も先に手を出した理由から、暴行容疑で書類送検された。同ジムの糸川俊夫マネジャーは「普段はまじめな男。我慢を重ねた結果だったのでは」と話した。

 日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛事務局長は「どんな理由があるにせよ、人を殴ってはいけない。ボクサーの拳は凶器との自覚を持つべき」と同ジムから事情を聴いた上で、処分を下す方針。過去の暴行事件の例から、ボクサーライセンスの停止、はく奪は必至となった。[2008年1月8日8時24分

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