奇手・居反りを得意とする西序ノ口9枚目宇良(22=木瀬)が“初体験”を乗り越え、無傷の6連勝とした。

 西序二段101枚目の皇義龍(18)との立ち合い。相手は仕切り線のはるか後ろに構えた。「僕も相手のような気持ちでやってるんで『勝負師やな』と思いました」。まるでレスリングのような、間合いを探る立ち合いになった。

 じわりと距離をつめると、張り手の連打を顔面に浴びる。これも学生時代には経験のないことだったが「何発か食らって、慣れてきました」と動じない。観客の声も聞こえていたという冷静さで勝機をうかがい、鋭く中に潜ると、一撃で押し倒した。「自分がされたら嫌なことをしてやろうと思っていた」と完勝を振り返った。

 13日目にはいよいよ、序ノ口優勝が決まる。それでも「(星数より)残り1番やなという、そっちですね。カウントダウンです」と気負いはない。「1番1番、勝ちたいという気持ち。同じことしか言えないですけど…」。ブレない気持ちで、今場所最後の土俵へ向かう。