東前頭13枚目の千代大龍(九重)が、豊響(30=境川)を会心の相撲で突き出しで破り、27歳の誕生日を白星で飾った。

 力士になって九州場所中に必ず、誕生日を迎えていることになるが「去年、旭天鵬さん(現大島親方)に初めて負けたけど、それ以外は全部、勝っている」という、験のいい日でもあった。相撲内容も、183キロの「平成の猛牛」豊響を、2秒4で破る文句なしの一番。「もう年だし、4~5年前の若い相撲なんて取れないと思ったら、今日取れた」と自分でも驚いた様子だった。

 さらに発奮材料が奥さんの存在。実は福岡県太宰府市に実家があり、場所中は帰省しているという。師匠の九重親方(60=元横綱千代の富士)との約束で、場所中も勝った日は、奥さんの実家に千代大龍が帰ることも許されているという。「妻が太宰府にいるんで準ご当所ということで」とご機嫌の様子。4連敗スタートからの3連勝で、九州場所負け越し知らずの「千代大龍伝説」を継続させるつもりだ。