大相撲の元大関琴欧洲の鳴戸親方(33)が将来的に所属する佐渡ケ嶽部屋から独立することが5日、分かった。大阪市内で行われた春場所(13日初日、エディオンアリーナ大阪)の新弟子検査では、最初の内弟子となる小林浩貴(15)が受検。既に佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)から許可を得ている鳴戸親方は「自分の部屋を持って弟子を育てたい。そのために親方としてやっている」と明かした。

 今もまわし姿で稽古場に下りる親方。現在は都内を中心に土地を探しているという。その内弟子1号の小林は、山梨県北杜市出身。相撲経験はないが、小2から空手、中1からは剣道という2つの武道に取り組んできた。167センチ(92キロ)と小柄ながら、空手では中2の全国大会でベスト8に進出。部屋では兄弟子の要望で「8割の力で」(小林)尻にキックを入れると、相手がもん絶したという。

 「家族で相撲が好きで、ずっとテレビを見ていた。厳しさは覚悟しています。剣道のすり足や、空手で鍛えた体を生かしたい。目標は琴奨菊関と親方です」。そう語る新弟子に鳴戸親方は「非常に真面目で成長している。力士だけでなく、人間としても育てたい」と希望に満ちた目で語った。