日本相撲協会の持ち回り理事会で、師匠交代が承認されて一夜明けた9日、千賀ノ浦部屋が東京・台東区内の部屋で、新しい師匠である千賀ノ浦親方(55=元小結隆三杉)を迎えての初稽古が行われた。

 午前8時から約3時間半、基本の四股やてっぽう、ぶつかり稽古を中心に、たっぷり汗をかいた。貴乃花部屋の部屋付きから、出羽海一門の師匠として迎え入れられた千賀ノ浦親方は「相撲でメシを食っていけて、給料をもらえるような力士を育てたい」と関取輩出を念頭に置いた。貴乃花部屋の稽古は、早朝5時から8時すぎまでで、取組の稽古も基本的に待ったなし。ただ、それらを押しつけるつもりはなく「貴乃花部屋にはいないタイプの力士もいる。稽古の時間や方法も(先代師匠の)流れを崩さず、同じ流れでいきたい」と抱負を語った。

 一方、前日までの師匠から「部屋付き」になった常盤山親方(元関脇舛田山)は従来通り、稽古場で指導の目を光らせる。この日は、バトンタッチした千賀ノ浦親方に、各力士の特徴や欠点、近況などを助言。師匠の座を受け渡した常盤山親方には「鬼の二子山さん(初代横綱若乃花)に鍛えられた人。教え方も違うと思うけど、隆三杉流の教え方をしてもらえればいい。今までの(千賀ノ浦部屋流と貴乃花部屋流との)2つの流れがあるけど、自分に合った方を採り入れればいいと思います」と思いを託した。