横綱白鵬(31=宮城野)が全勝を守り、1差で追っていた大関稀勢の里(29=田子ノ浦)がアッサリと敗北。千秋楽を待たずに白鵬の通算37度目の優勝が決まった。日本相撲協会トップの八角理事長(52=元横綱北勝海)は、千秋楽に残された稀勢の里の一番(日馬富士戦)の重要性を「明日が大事」という言葉を何度も使って説いた。

 もちろん、7月の名古屋場所(10日初日、愛知県体育館)を「綱取り場所」として、可能性をつなぐための重みだ。稀勢の里の敗戦後に「明日は、こうなるともっと大事になる。(横綱に)上がるには横綱に勝たないと。だから明日は大事。劣勢になることは、上(横綱)になってもある。それが試されている。自分の相撲を取りきれるか。余計に(千秋楽は)今日より大事になった」と話した。

 13勝した先場所、稀勢の里は千秋楽まで白鵬に1差で追走し、逆転優勝の可能性を残していた。実際に1差での優勝次点で横綱戦は1勝2敗。稀勢の里が明日負けるようであれば、次点とはいえ優勝の白鵬とは2差以上がつき、横綱戦も3連敗。千秋楽の一番は、勝てば名古屋場所に夢がつながり、負ければ全てが霧散する一番になるといえそうだ。