横綱・大関はじめ、幾多の関取衆を輩出した角界屈指の名門・高砂部屋から、関取が途絶えることになる。

 高砂部屋ただ1人の関取で、西十両9枚目の朝赤龍(35)が今場所最後の相撲に臨み、幕下の希善龍(31=木瀬)に敗れ4勝11敗となった。十両最下位まで5枚を残す番付で、仮に勝って5つの負け越しなら十両にとどまる可能性があったが、絶望的な状況となり、来年1月の初場所での幕下陥落が確実な状況。再十両を狙った西幕下3枚目の朝弁慶(27)も4勝3敗止まりで、関取復帰の可能性は薄く、初場所では関取不在となることが濃厚となった。

 高砂部屋は1878年(明11)の部屋創設から、関取を輩出し続けてきた。1927年(昭2)の東西相撲協会合併後としても、唯一、関取衆を絶やしたことのない部屋だったが、その伝統が途切れることになりそう。朝赤龍は「今までのいろいろな関取衆、先輩たちに申し訳ない。この3~4年、自分の時に途切れさせたくないという気持ちが強かった」と話した。責任を背負うような弟子の言葉に、7代目にあたる師匠の高砂親方(60=元大関朝潮)は「朝赤龍もつらいだろうが、朝赤龍の責任ではない。頑張った結果が、こうなった。私の時に途切れるのは、ひじょうに残念だけど、この結果を受け止めて、新しい歴史を作るぐらいの気持ちで前向きに取り組みたい」と話した。