約12年半ぶりに陥落した幕下で2場所目を迎えた西6枚目豊ノ島(33=時津風)が、最後の7番相撲を白星で締めくくり、6勝1敗で今場所を終えた。

 自分が勝ち、十両の陥落力士数によっては、2場所での関取復帰の可能性もあったが、十両からの陥落力士が3人にとどまる見通しで、復帰はお預けとなりそうだ。「薄い可能性はあったけど、そんなことより今日勝って、来場所に(つなげたい)と思っていた」と話すように、この一番に集中。左四つから右上手を引きつけて、危なげない相撲で同9枚目の明瀬山(31=木瀬)を破った。

 今場所を振り返り「攻める相撲が良かった」と言い、昨年7月に手術した左足も「足に負担もなくいい感じ」と順調な回復具合に手応えを感じる場所だった。来月も熊本で10日間ほど「春場所に向けて体をいい状態に持って行くためにもメンテナンスをしっかりやりたい」とリハビリに費やす。初土俵が自分より1場所だけ後で、相撲教習所ではともに稽古で汗を流した大関稀勢の里(30=田子ノ浦)の優勝には「昨日の涙が全てを物語っている。うれしかったでしょう。教習所で稽古した仲間の誇り。自分にも励みになる」と発奮材料になった。