大相撲春場所(3月12日初日・エディオンアリーナ大阪)で新横綱として臨む稀勢の里が28日、大阪市港区の田子ノ浦部屋で大阪入り後初の稽古を行い、19年ぶりの日本出身横綱誕生で大きな注目を浴びる場所に向け、本格的に始動した。

 稀勢の里は四股、すり足で体をほぐした後、弟弟子の関脇高安と続けて17番。しかし腰高と足の運びの悪さが目立ち、6勝11敗と不調だった。それでも「良くはないが、まだ初日だから焦らずやっていく。まあ大丈夫。力むことなく、一日一日をしっかりとやる」と落ち着いた表情で話した。

 30歳の稀勢の里は1月の初場所を14勝1敗で初優勝し、第72代横綱に昇進。春場所では白鵬、鶴竜、日馬富士のモンゴル出身3人とともに、2000年春場所の貴乃花、曙、武蔵丸、3代目若乃花以来17年ぶりの4横綱となる。