大相撲春場所(12日初日、エディオンアリーナ大阪)に新横綱として臨む稀勢の里(30=田子ノ浦)が6日、周囲を一瞬、ヒヤリとさせるアクシデントに見舞われた。

 この日も大阪市港区内の田子ノ浦部屋で稽古。出稽古にきた関脇琴奨菊(佐渡ケ嶽)と連続10番の三番稽古を行い、7勝3敗と好調キープを示した。さらに前頭嘉風(尾車)を相手に相撲を取ったが、その2番目の取組中、嘉風の頭が左の眉毛の左端を直撃。送り出しで勝負を決めた後、土俵を離れると、患部から鮮血がしたたり落ちた。

 幾重にも巻いたちり紙をあてて止血し、その後は患部付近の眉毛を剃刀でそり、テープで傷口をふさぐ“荒療治”。しばらくして、徒歩数分で行ける病院へ歩いて通院し、数針ぬって約1時間後には部屋に戻った。

 稀勢の里によれば「かなり縫った」というが、傷口の長さからして数針と思われる。ただ日ごろから、当たりには慣れっこで、小さなケガも茶飯事のこと。「痛みはほぼゼロ。ケガのうちに入らないよ」と笑顔でサラリ。実は4年前も春場所前の稽古で裂傷しており「(病院でも)4年前も来てますよ、と言われた。3月3日だった」と再び柔和な笑み。大事には至らず、場所にも全く影響はなさそうだ。