大相撲の春巡業は13日、川崎市で行われ、38歳で関取最年長の十両安美錦(伊勢ケ浜)が精力的に動いた。まずは土俵に上がると今巡業初めて相撲を取った。

 会場付近は晴天で最高気温は17度。両膝に痛みを抱えていたが「天気が良かったから。ずっと膝が痛かったけど今日はやろうかな」と春の陽気に誘われた。稽古前には風呂に入り体をほぐして、両膝にテーピングを施して気合十分。幕内の貴景勝、十両の里山らと7番取って6勝で「一から当たって押す。どれぐらい体動くかな」と結果より内容を重視。ただ、いつもより約30分早く稽古が終わり「物足りないよ」とつぶやいた。

 土俵を下りれば後輩力士への指導も忘れない。この日は業師で人気の宇良に、身ぶり手ぶりを交えながら当たり方などのアドバイスをした。「タイプは全然違うけど、努力してる子には惜しむことはない」と認めてるからこその指導だった。宇良も終始真剣な表情で聞き入り「技術を習得できるなら習得したい」と意欲的だった。