横綱白鵬(32=宮城野)が、16年夏場所以来1年ぶりとなる、38度目の優勝を果たした。勝てば優勝が決まる一番で、大関照ノ富士を寄り切った。昨年の秋場所を右足親指の手術で全休するも、九州場所では調子が戻らず。今年は、2場所連続優勝した新横綱稀勢の里に主役の座を奪われていた。4月にモンゴルで体を鍛え上げ、食生活も見直して復活優勝。名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)で、魁皇の歴代最多1047勝超えに挑戦する。

 白鵬の朝のルーティンが変わった。これまでは部屋の入り口前で送りの車を降りて中に入り、風呂場へ行き、コーヒーを飲みながら朝稽古の支度をしていた。それが、今場所からは風呂の後、外で支度をするようになった。部屋の前の道路にパイプ椅子を置き、裸で座りコーヒーを飲む。日差しを浴びながら後援会関係者や付け人たちと談笑している。約15分間のリラックスタイムを堪能し、表情を変えて稽古場に入る。

 理由を「やっぱり『パッ』となるね」と語った。最近の晴天に気持ちが晴れやかになるからだという。日光浴には体内時計の調節を行う効果が期待できるとされる。心身を整える時間となった新習慣。あまりの好天続きに一時は「続くと自然に良くない。かんばつとか。そういうのを考えている」と自然界への影響を気にしたほどだ。今までと違う朝が、1年ぶりの笑顔を運んできた。