大関豪栄道(31=境川)が同学年で同期入門の小結栃煌山を押し出しで下し、単独トップを守った。立ち合いから土俵際まで押し込んだ後、1度引き気味になり左からはたき、体勢を崩してから冷静に押し出した。

 幼少時からのライバルで、埼玉栄高にいた頃は明徳義塾高だった栃煌山と覇を競った。「もともと力がある力士。中学の時は体が大きくて。高校の時はどっちかが優勝することが多かった。最初2勝2敗やったけど、最後は(自分が)5連勝したと思う。負けたくない相手」。今の自分を作ってくれた1人でもあり、気合十分で臨んだ一番だった。

 この日、阿武咲、貴ノ岩、大翔丸が3敗目を喫し、1敗の自分を追う2敗力士は千代大龍だけになった。残り5日の終盤戦を前に、追い風が吹いた。しかし、昨年秋場所以来2度目の賜杯へ、逆に慎重さは増す。「自分のやることをしっかりやるだけです」。何を聞かれても3、4度、同じ言葉を繰り返した。

 11日目は、休場者を除くと東の番付最上位となる関脇御嶽海との対戦。目の前の相手を退けることに集中する。