東十両2枚目安美錦(38=伊勢ケ浜)が、同14枚目大成道(24=木瀬)を下して勝ち越しを決めた。九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)での再入幕に大きく前進となったが、ある疑惑に混乱していた。

 同じ7勝同士の新十両の大成道に負けないぐらいの、フレッシュな相撲を見せた。立ち合いで突き押しをもらい距離を取られたが「頭を上げずに我慢して我慢して」と拝むように低い姿勢を保って粘った。それでも土俵際に押し込まれたが、体を開いて突き落とした。「ちょっとバタバタしたけど、やったことのない相手だったので思い切り当たった」と話し、勝ち越しについては「勝ち越し? 良かったね」と、とぼけながらも喜んだ。

 前日に、周囲から引退疑惑をかけられていた。携帯でネットニュースを見ていると「アム…アミ…俺?」と驚いた。知人からも「引退するの?」と連絡があったという。実は、歌手安室奈美恵(40)が、来年で引退すると発表したニュースを見てのことだった。確かに、しこ名と同じ「安」と「美」が入っている。騒ぐ周囲だったが「まだまだやるよ」と、関取最年長はまだまだ現役バリバリだ。