日本相撲協会評議員会の池坊保子議長(元文部科学副大臣)が1日、文化放送「斉藤一美 ニュースワイドSAKIDORI!」(月~金曜午後3時半)に生出演し、十両貴ノ岩(28=貴乃花)が同日、17年11月に大相撲の元横綱日馬富士関による暴力行為で被害を受けた騒動以来、初めて取材に応じたことについて「とても安心し良かったと思っています」とコメントした。

 一方、相撲協会と対立する形となった貴乃花親方について、斉藤一美キャスターから「貴乃花親方は好きですか?」「私的なわだかまりは?」などと聞かれると、「好きですよ。(わだかまりは)私は全然ありません」と答えた。ただ、貴乃花親方が、相撲協会より先に鳥取県警に被害届を提出したり、沈黙を貫くなどした対応については「順序というものがある」、「残念」などと失望感をあらわにした。

 斉藤一美キャスター(以下、斉藤C)貴乃花親方は好きですか?

 池坊氏 好きですよ。(私的なわだかまりは?)私は全然ありません。彼は一見ナイスガイでしょ。あんまり細かくお話ししたことがないから、お話ししたらいい面もたくさんあるとおもいます。私が存じ上げているのは理事会だとかそういう時の貴乃花さんだけでしかありませんから、それは残念だと思います。

 斉藤C 貴ノ岩関が事件後初めて取材に応じたことについてどう思われますか

 池坊氏 とても安心したし良かったなと思っています。いつまでも出てこないと皆様大変心配しますし。被害の状況がどうなのか、本人がちゃんと説明してこそ私たちは受け止めることができると思うんです。(体重も変わらないというニュースに対して)それはいいことですよね。練習ができないとかわいそうだなという思いが強かったです。

 斉藤C もう少し貴乃花親方の言い分を聞いたら良かったんじゃないかと思うんですが

 池坊氏 いや、しっかり私どもは聞きました。理事会で八角理事長が本当に気を使って「何か言うことはないんですか」と言うんです。そうすると「ありません」と言うんです。それで文書を持ってこられる。私たちは、ちゃんと文書も読みました。精査しました。ちゃんと道筋を踏んでいるんです。でもそういうことをいくら言っても取り上げていただけない。

 斉藤C 貴乃花親方が「私は正しかった」とコメントしたが一連の対応についてどう思うか

 池坊氏 貴乃花親方は貴ノ岩関の親方ではあったけれど、同時に全ての人を見守る巡業部長だった。学校でいうなら校長です。校長は自分の子供がいじめられても、全ての子供に目をやらなくてはいけない。やはり相撲協会に連絡をし、それから鳥取県警に連絡をする。そういう順序というのは、組織にいればやらなければいけなかったのに残念です。

 斉藤C 携帯電話に折り返さなかったのは電話で話すようなことではなかったのでと貴乃花親方は言っていたが

 池坊氏 「電話ではお話しできません、会ってお話しします」とおっしゃるべきです。私たちには順序というものがあります。自分のやるべきことを、果たさなくてはいけないことがあります。特に立場のある方ですから。それをやってこそ言えるんじゃないかなと思うんです。権利というけれど、義務を果たしながら権利を果たす、それが当たり前のことかなと。

 斉藤C 相撲界の相次ぐ不祥事についてどう思いますか

 池坊氏 日馬富士さんの暴行事件は確かにいけないと思います。暴行はいけないです。相次いで、というのは、確かに無免許運転とか、いろいろな事柄があります。でもこれは、どこの組織にでもあることで、あるから相撲協会があってもいいよということではないんですが、ことさらこのことだけをとりあげて、相撲協会は隠蔽(いんぺい)だと。どこが隠すだと思うんです。全てさらけ出しているんです。間違えた報道を面白おかしく、全然事実と違うことが語られているので、私は真実を知っているのでテレビに出たんです。バッシングも受けましたけども誰かが言わなければ分かってはいただけないんだなと。本当は相撲協会が1つ1つ、それは違う、真実はこうですと言うべきなんですが、迅速に対応するというのは、なかなかできないんです。それで損をした部分がずいぶんあると思って、私はあえてそれは違うというのを言い続けてきました。

 斉藤C 日本相撲協会の体質が変わらないのはなぜか

 池坊氏 変わらないとおっしゃるけれど、変わっています。どこが変わってないのか具体的に、むしろおっしゃっていただきたいと思うんです。いろんな問題が起きるとすぐに危機管理委員会が発表しています。でも弁護士が発表しても注目されない。(中略)日本人って「変わらない」とか「隠蔽(いんぺい)」という言葉が大好きなんだなと思います。隠蔽(いんぺい)していたら、こんな暴力があります、いじめがありますというのが出ないじゃないですか。

 池坊氏は、相撲協会に対する、一連の報道にも疑問を呈した。