関脇栃ノ心(30=春日野)が、東前頭筆頭遠藤に大技を決めた。

 差して争いで劣勢となり、得意の右四つに持ち込めず、左四つになったものの、遠藤の左腕を右腕決め、右脚をはね上げて投げ飛ばした。豪快すぎる小手投げに「柔道の技を使っちゃった。若い頃を思い出したよ」。

 故郷ジョージアで打ち込んだ柔道では、将来の五輪候補と目される実力を誇った。この日の動きを「内股じゃない?」と解説した。初日から白星、黒星が交互に続いたが、ここに来て初めての連勝。「気持ちいいね」。前日には東京で世話になっている指圧の先生が宿舎を訪れ、約30分、体を診てもらったという。「涙が出るほど痛い。でも、痛いのに我慢したら、効く。昨日は(左の)お尻をぐいぐいやってもらって、朝起きたら“あれ?”と思うほど体が楽だったよ」。場所が始まる5日前に豪栄道との三番稽古で痛めた左脚付け根外側も快方に向かっている。「もう全然問題ないんじゃ?」と問われて「そう見られるなら、いいね」とうれしそう。6日目を終えて、全勝は横綱鶴竜、平幕の魁聖だけ。2場所連続優勝へ、2敗キープはまだまだ圏内だ。