関脇栃ノ心(30=春日野)が横綱白鵬から、26度目の対戦で初白星を挙げた。立ち合いは1度、白鵬が突っかける形で待ったがかかり、2度目は栃ノ心が先に仕切った。同じ右四つとあって、早々に得意の左上手でまわしを引いた。時間をかけ、最後は右手をまわしから離し、のど輪を決めて力ずくで寄り切った。

 08年九州場所での初顔合わせから10年。栃ノ心は「最高ですね」と上気した表情を見せ「何年もね…。惜しいのあったけど…」と勝利の味をかみしめた。大関昇進の目安は「直近3場所を三役で計33勝以上」とされる。栃ノ心は2場所前、優勝した初場所が平幕だったため、条件的に微妙な要素があったが、横綱を破り白星数を「36勝」まで伸ばした。事実上の当確ランプがともったといえそうだ。

 優勝争いでも全勝でトップを守った。残り3日で1敗は鶴竜だけ。「残り3日あるからね、1日1番です」と慎重だったが、2場所ぶり2度目の優勝も一気に近づいてきた。