横綱白鵬(33=宮城野)が28日、名古屋市緑区内に宿舎を構える宮城野部屋で、41度目の優勝を目指す大相撲名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けた稽古を行った。

 いつも通り、たっぷり1時間半をかけて入念に準備運動。一呼吸置いて土俵に入ると炎鵬ら幕下以下の若い衆3人を相手に7番。その後、平幕の東前頭15枚目の石浦(28)相手に8番取った(6勝)。立ち合いの突進、受けの稽古も通常通りに行い、3時間近い稽古を切り上げた。

 今年に入って優勝はないが、その3場所の場所前とはコンディションの違いは明らか。それを認めるように「集中できている。今まで体を動かしていたからね」と話した。ケガやそれに伴う休場、尊敬する父の死去と、何かと土俵に集中できる状況ではなかったここ数場所とは違うようだ。

 準備運動も工夫を凝らす。軽い木材を使ってのすり足も「脇を締めるというか、体幹がブレないからね。これ以上、体幹が良くなることはないけど、維持するのが当面の課題だから」と目的意識も明確だ。あと17勝に迫った前人未到の幕内通算1000勝にも「今場所は達成できないけど今場所、目いっぱいやって1日でも早く近づきたい」と意欲を示した。