横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、東前頭筆頭の勢を寄り切りで破り、1月の初場所2日目の北勝富士戦以来、237日ぶりに本場所で白星を挙げた。

立ち合いから左を差すと、右を抱えて一気に寄った。相手もろとも土俵下まで落ちる、気迫を前面に出した取り口で、4連敗中と苦手の初日を飾った。

支度部屋に戻っても笑顔はなく「まあ、集中してやりました」と静かに話し、汗をぬぐった。勢にはこれで通算16勝1敗。2日目は過去1勝2敗と、得意とはいえない小結貴景勝の挑戦を受ける。「今日は今日で明日は明日」と切り替え、新横綱として優勝した、昨年3月の春場所以来となる連勝発進へと視線を向けていた。