一人横綱として大相撲九州場所(11日初日、福岡国際センター)に臨む稀勢の里(32=田子ノ浦)は9日、福岡・大野城市の部屋で四股やすり足などの基礎運動で約1時間、汗を流した。

初日は小結貴景勝、2日目は東前頭筆頭妙義龍と顔を合わせることが決定。貴景勝は過去4度、いずれも横綱として対戦して2勝2敗と、得意とはいえない相手だ。1月の初場所では、今場所と同様に初日に対戦して敗れている。

白鵬、鶴竜の2横綱の休場が決定し、優勝争いが求められる中で、いきなり難敵を迎えることになった。それでもこの日は、稽古場で何度なく笑顔を見せるなど、リラックスした様子をのぞかせた。今場所の取組で使用予定の締め込みを着けて、感触を確かめるなど、場所前の稽古打ち上げとなったこの日も、準備に余念はなかった。一方で稽古後、外出する際には迎えのタクシーを宿舎の出入り口に横付けし、付け人が報道陣を遠ざけて無言で出発。緊張感を漂わせる場面もあった。

二所ノ関一門の連合稽古や、出稽古で訪れた際に稀勢の里の状態を確認している阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「優勝に絡んでもらいたい。相当いい状態だと思う」と、期待していた。