付け人の序二段力士に暴力を振るい、大相撲秋場所を謹慎休場した、西十両5枚目の貴ノ富士(22=千賀ノ浦)が25日、適切な措置を求めてスポーツ庁に上申書を提出した。暴力は8月31日に起きたもので「貴公俊」のしこ名だった、昨年3月の春場所中に次いで2度目。日本相撲協会のコンプライアンス委員会や師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)から引退を勧告されているとし、24日には同協会に寛大な処分を求める要望書を提出していた。処分が決まる26日の理事会を前に慌ただしくなってきた。

貴ノ富士の弁護士から上申書を受け取ったスポーツ庁の担当者は「国がどうこうするものではない」と話し、静観する立場を示した。各スポーツ団体内における決定事項について、同庁が直接的に内容の変更を指示する権限はない。一方で、同庁が6月に策定したスポーツ団体ガバナンス(組織統治)コードでは選手、指導者間などで紛争が起きた場合、競技団体側が処分対象者に対し、スポーツ仲裁機構を利用できる旨を伝えるよう求めている。