大相撲秋巡業が石川・七尾市で始まった5日、横綱鶴竜(34=陸奥)ら関取衆が、元巡業副部長で先月16日に亡くなった元関脇逆鉾の井筒親方に黙とうをささげた。

午前9時、春日野巡業部長(元関脇栃乃和歌)が関取衆に対して訓示を行う前に、約30秒間目を閉じた。陸奥部屋へ移籍した鶴竜は「教えてもらったことを実践しながらやっていきたい」と先代師匠に敬意を払い、静かに意気込んだ。

先月27日に陸奥部屋への転属が協会から承認された後、新師匠の陸奥親方(元大関霧島)や、部屋の若い衆には直接あいさつを行ったと明かした。陸奥親方は故井筒親方の兄弟子で井筒部屋出身。「幕内に上がった頃に(時津風)一門の連合稽古で陸奥部屋に行ったことがある」と振り返った。新しい部屋には同じモンゴル出身で伸び盛りの十両霧馬山(23=陸奥)もいる。付け人の指導に定評のある鶴竜は「親方には厳しく(指導を)やってくれと言われているので」と、若い衆の指導に向けて意欲的に語った。

2場所連続優勝を狙った秋場所は左膝を負傷して8日目から休場。この日は土俵に上がらず、腕立て伏せなどで主に上半身を鍛えた。左膝の状態については「ぼちぼち」と多くは語らなかったものの「まずしっかり体を仕上げて(巡業)後半戦はしっかり土俵の上に上がりたい」と、調整の見通しを語った。