大関経験者で、番付を序二段まで落として以降、4場所連続勝ち越しで順調に関取復帰の道を歩む西幕下10枚目の照ノ富士(27=伊勢ケ浜)が、東幕下9枚目の湘南乃海(21=高田川)と対戦。快勝で2連勝とした。

立ち合いで左足から踏み込むと、珍しく頭から相手の右胸に当たった。瞬時に左が入ると、右は抱えながら盤石の寄り。2秒あまりの省エネ相撲で2つ目の白星を奪った。

頭から当たったのは、たまたま過去の稽古映像から、幕内の宝富士にぶつかった際、頭から行ったシーンを見て「今日、やってみようと思った」という。流れるように「スムーズに左が入って良かった」と振り返り、手術までした懸念される両膝も、この日の出足を見る限り「すり足も出来るようになった。ここから、どれだけ鍛えて戻せるか」と不安なしを示した。

最近、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)から、身に染みるような言葉をかけられた。稽古場を離れたトレーニングも含めて「『飛ばしすぎだ』って。『飛ばしすぎると逆に駄目になる可能性がある。そこを考えてやれ』ってね。それまでは『(稽古を)やれ、やれっ』だったのに初めて言われた。うれしかったね」。周囲も関取復帰への後押しを惜しまない。残り5番も、精いっぱいの相撲を取りきる。