大関復帰を事実上決めた照ノ富士が、日本国籍取得に向けて準備を進めていることが28日までに分かった。年寄名跡の襲名には日本国籍が必要で、取得できれば現役引退後に親方として日本相撲協会に残る資格を得ることになる。

関係者によると現在はモンゴル国籍離脱のため、許可を取る申請をモンゴル側にしている段階という。国籍離脱が認められれば、日本での手続きが始まる見通しとなっている。照ノ富士は将来的に親方として協会に残る意向。三役経験を持つため、年寄名跡を取得すれば部屋を興すことも可能となる。

照ノ富士はモンゴルから18歳で逸ノ城らと一緒に来日し、日本に住んで10年以上となった。先月11日には18年2月に結婚したモンゴル出身のツェグメド・ドルジハンドさん(26)と挙式し、身を固めている。

関係者によると日本名の候補として、師匠の伊勢ケ浜親方の名字である「杉野森」が最有力に挙がっているという。決定すれば、大関復帰へ導いてくれた師匠への思いを表す形となる。

モンゴル出身では同国勢初の師匠となった友綱親方(元関脇旭天鵬)や高砂親方(元関脇朝赤龍)が日本国籍を取得している。19年9月に横綱白鵬が、24日に現役を引退した元横綱鶴竜は昨年12月に日本国籍を取得した。日本名は、白鵬はしこ名と同じ「白鵬翔」、鶴竜は変わらず「マンガラジャラブ・アナンダ」としている。