「花とアリス」などで知られる岩井俊二監督(45)が、ハリウッド俳優オーランド・ブルーム(31)とクリスティーナ・リッチ(28)を起用し、12人の監督がコラボレーションした映画「New

 York,I

 Love

 You」を作った。岩井監督が海外俳優と仕事をしたのは初めて。いきなり「パイレーツ・オブ・カリビアン」のブルームと、子役時代からの人気女優リッチとタッグを組んだ。全米公開は来年2月。日本では来年、約100館規模で公開される予定。

 「New

 York-」は、タイトル通りニューヨークが舞台。12人の監督が1作品ずつ短編を作り、すべてをつなげて大きな1つの物語にする構成だ。岩井監督のほか、女優ナタリー・ポートマンやスカーレット・ヨハンソンが監督しているほか、カンヌ映画祭グランプリのチアン・ウェン監督、ベネチア映画祭で金獅子賞を取ったロシアのアンドレイ・スビャギンツェフ監督など国際色も豊かだ。

 それぞれの短編は、マンハッタン、ブルックリンなどの地区や、セントラルパークなど名所が舞台で、恋人を描くのが基本ルール。岩井監督はマンハッタン編を担当した。創作に悩む作曲家のために、女性アシスタントがドストエフスキーの著作を朗読するというシチュエーション。脚本も書いた岩井監督は、イメージがぴったりのブルームとリッチに出演を依頼した。

 撮影は今年の4月に行われた。ロス在住の岩井監督は英語も堪能で、演出には問題はなかった。2人の印象について「アドリブもある程度好きに言っていいよと言ったら、クリスティーナが『アイデアを受け入れてくれて感謝します』って殊勝な顔で言うんです。びっくりするほど礼儀正しい。オーランドはリハーサルの時から何度も何度も練習して、演技が好きで仕方がないとしか言いようのない人」と語った。

 ニューヨークはもともと好きな街だった。大きなトラブルもなく、3回落とした携帯電話が3回とも見つかったということもあって、さらに好きになったという。岩井監督は「オーランドとクリスティーナと、今度は長い映画で再会したいです。本当にいつか、ニューヨークに住みたい」と夢を語った。