6日に虚血性心不全で亡くなった現役最高齢の歌舞伎俳優中村小山三さん(享年94)の葬儀・告別式が9日、東京・中野坂上の宝仙寺で営まれた。

 小山三さんと暮らし、「お別れのことば」を読んだ弟弟子の中村小三郎(66)は、「中村屋の弟子として波瀾(はらん)万丈の人生だったと思います。40年間お付き合いさせていただいて、とっても幸せでした。小山三さんのこと忘れないでください! お願いします!」と涙ながらに絶叫した。

 喪主の中村勘九郎、中村七之助は、浅草で「平成中村座」公演中のため、喪主あいさつは松竹関係者が代読した。「祖父と父に再会し、2人の世話でてんてこ舞いしている姿が目に浮かびます。ありがとう、小山三さん、いつまでもずっと愛してるよ」と、17、18代中村勘三郎さんに仕えた小山三さんをねぎらった。

 出棺の際は、勘九郎の長男七緒八くんが位牌(いはい)を手に霊きゅう車に乗り込んだ。一般参列者から「中村屋!」の声も掛かった。

 坂田藤十郎、扇千景、片岡秀太郎、富司純子、中村歌六、笹野高史、ラサール石井、宮藤官九郎ら、約300人が参列した。