アニメ「ドラえもん」のジャイアン役で知られ、18日に急性呼吸器不全で亡くなった、声優たてかべ和也(かずや)さん(本名・立壁和也=たてかべ・かずや、享年80)の通夜が23日、東京・青山葬儀所で営まれた。この日は所属のケンユウオフィスの社葬として営まれ、弟子であり同社社長の声優堀内賢雄が葬儀委員長を務めた。堀内はあいさつで悲痛な思いと感謝の気持ちを切々と語った。

「83年、たてかべが代表だったオフィス央に所属して以来、ともに歩んで参りました。病気と無縁のたてかべが、胃の不調を訴えたのは10年。スキルス性胃がんでステージ5…末期がんでした。余命半年を宣告されました。でも本人はいたって楽観的で、奇跡は起きました。胃を全摘しましたが、手術は大成功。仕事に復帰し、不安もなく生活できて昔のままの元気を取り戻したように見えましたが、今年に入って体調を崩し…6月18日に旅立ちました。亡くなる直前に大きく開いた口が『ありがとう』と言っているように見えました。安らかで見事な旅立ちでした」

 この日は「ドラえもん」で共演したスネ夫を演じた肝付兼太、しずか役の野村道子、2代目ドラえもん役の水田わさび、2代目ジャイアン役の木村昴らが弔問に訪れた。初代ドラえもんを演じた大山のぶ代と夫の砂川啓介は弔問に訪れなかった。

 葬儀・告別式は24日午前11時半から同所で営まれる。