吉永小百合(70)と嵐・二宮和也(32)が9日、映画「母と暮せば」(山田洋次監督、12日公開)の舞台・長崎市に凱旋(がいせん)した。

 劇中で二宮演じる息子が通った長崎大医学部での特別授業には、450人の学生が殺到。二宮の登場に加え、吉永が同大医学部OBの叔父がいると明かすと、女子学生が感激のあまり涙するなど、フィーバー状態となった。

 映画では、二宮演じる息子の浩二が長崎大医学部の前身、長崎医大の授業中に被爆して亡くなる瞬間が描かれる。1945年(昭20)の長崎への原爆投下で、爆心地から約600メートル離れた同大では学生、教職員合わせて約900人が亡くなった。

 二宮は「僕は映画の中では、皆さんの先輩…気になることがあったら、いつでも聞いていただければ」と言って学生を笑わせた。

 吉永は、父方の叔父が1938年に同大を卒業した医師だと初めて明かした。「叔父は卒業し、戦争に行ってマラリアにかかって、何とか生き永らえて三菱の診療所で医師をしました。叔母は90何歳で生きています。家を訪ねたりしました。懐かしい感じ」と話した。