宝塚歌劇の雪組公演「私立探偵 ケイレブ・ハント」「Greatest HITS!」の製作発表が19日、兵庫・宝塚バウホールで行われ、トップスター早霧(さぎり)せいなが、本拠地作では初めて、2番手スター望海風斗(のぞみ・ふうと)と仲間の設定に臨むことになり、ぶつかりあいを約束した。

 早霧は14年9月に雪組トップに就任。同時に花組から望海が雪組へ移り、本拠地作では「ルパン三世」「星逢一夜」「るろうに剣心」と共演してきたが、結果的には3作とも敵役同士の設定。今作の「私立探偵-」では、早霧、望海と、彩風咲奈(あやかぜ・さきな)が同じ探偵事務所に務め、事件の解決に当たる設定で、早霧は「人と人、私とだいもん(望海)の関係を反映して、思いっきりぶつかりたい」。望海も「早霧さんの雪組で1年半、培ってきた関係が出せると思います」と答えた。

 演出は、男の友情作では劇団随一の評価がある正塚晴彦氏。正塚氏は「早霧と望海の個性の中で、シリアスだけはない人間ドラマが作れると思う」と話した。

 早霧、望海はともに芸達者で、役作りには定評があり、シリアスにコミカルな要素を加えた探偵ものになることは必至。さながら「俺たちは天使だ」のイメージのような作品になることも想定され、早霧は望海に「本当にぶつかっていくからね。よろしく!」と宣言した。

 ここまで、早霧率いる雪組では、本拠地3作はすべて、収容2550人の宝塚大劇場では異例の「3作連続動員100%」を達成している。東京・日比谷にある東京宝塚劇場(収容2069人)に比べ、立地的な条件や、収容人数の多さから「宝塚では95%で大入り」と言われており、小川友次理事長も、早霧の雪組を「超大入り」と高く評価している。

 トップ早霧、2番手望海とも当代有数の人気を誇っており、今作も“記録更新”へ期待がかかる。

 ショーの演出を務める稲葉太地氏は、早霧について「下級生のころから、どこまでも走っていきそうな『元気』のイメージはそのまま」と言い、身軽な身のこなしを生かしたショーを考えているという。

 兵庫・宝塚大劇場では10月7日~11月7日、東京宝塚劇場では11月25日~12月25日。