フランスで開催中の世界3大映画祭の1つ、第79回カンヌ映画祭で最高賞パルムドールを競うコンペティション部門に出品された、是枝裕和監督(63)の新作映画「箱の中の羊」(29日公開)の公式上映が16日、行われた。

カンヌ映画祭公式インスタグラムは「赤の階段の頂点に立つ、リアリズム映画の巨匠」と題し、是枝監督と主演の綾瀬はるか(41)映画初主演で、初の同映画祭参加となった、お笑いコンビ・千鳥の大悟(46)と、この日、10歳の誕生日を迎えた桒木里夢(くわき・りむ)がレッドカーペットに並んだ写真を投稿。18年「万引き家族」でパルムドールを受賞して以来、日本映画では8年ぶりに自らオリジナル脚本を執筆した、同監督に敬意を表した投稿とみられる。

ただ、大悟のことを「Kotaro Daigo」と紹介。発音から、俳優の醍醐虎汰朗(25)と勘違いしたようだ。大悟はSNSをやっていないが、写真にも醍醐のインスタグラムがタグ付けされてしまっている。コメント欄には、日本のファンから「ブラボー 大悟さんがカンヌのオフィシャルIGに載ってる なぜかタグは醍醐虎汰朗さんですが…大悟さんも皆さんも良い笑顔」とツッコミが入っている。

「箱の中の羊」は、24年春に中国で死者のよみがえりビジネスが人気という記事を読んだ是枝監督の中に湧いた「最新のテクノロジーで死者をよみがえらせる」という発想が出発点となり、同年秋にビジネスをしている人に会い原案・脚本から手がけた。そう遠くない未来が舞台で、綾瀬が演じた建築家・音々と、大悟が演じた工務店の2代目社長を務める健介の甲本夫婦が、息子を亡くして2年のタイミングで、桒木が演じた息子・翔の姿をしたヒューマノイドを自宅に迎え入れる物語。

是枝監督にとって、カンヌ映画祭コンペ部門への出品は、23年に坂元裕二氏(58)が脚本賞を受賞した「怪物」以来3年ぶり8度目。北米ほか、韓国、タイ、台湾などのアジア各国・地域、フランス、イタリア、ドイツ、イギリス、スペインなど、早くも世界184の国と地域で配給が決定している。

◆「箱の中の羊」 息子を亡くして2年。建築家の音々(綾瀬はるか)と工務店の2代目社長・健介(大悟)の甲本夫婦は、息子・翔(桒木里夢)の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることになる。到着した日、「おかえり」と駆け寄り喜びを隠さない音々と、戸惑いを隠せない硬い表情の健介。「パパだよね」と問いかけられた健介は、「おじさんでええよ」と答える。ほどなく予期せぬ事態が起こり、夫婦がそれぞれに抱く息子の死への思いがあらわになっていく。夫婦が大きな決断に迫られる中、ヒューマノイド翔はひそかにヒューマノイドの仲間たちとつながり始める。