28日午後、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで「逮捕へ」と各メディアに一斉に報じられた歌手ASKA容疑者(58)は、ブログを頻繁に更新し、容疑を否定するコメントを4度にわたって掲載した。「尿鑑定で陽性反応が出た」と伝えられると「あるわけがない」とすぐに反応。身の潔白を主張する抵抗をSNS上で続けた。

 まさに逮捕直前の心境の「実況中継」ともいえる異様なブログ更新だった。ASKA容疑者はこの日昼すぎ、テレビ各局の情報番組や新聞のウェブサイトの速報ニュースなどで「ASKA元被告、逮捕へ」と報じられると、自分のブログで反論を始めた。

 最初の投稿は、報道が始まってしばらくした14時53分。「はいはい。みなさん。落ち着いて。」という、なだめすかすようなタイトルで、淡々と状況を説明し始めた。「間違いですよ。詳しくは、書けませんが、先日、僕の方から被害届けを出したのです。(中略)そしたら、逆に疑われてしまいまして、尿検査をうけました」(原文まま)。捜査員から尿検査を受けた事実を認めつつも、若干の動揺もあるのか「ずべて、フライングのニュースです」と誤字も見受けられた。その後も「(容疑は)100%ありません」「幻聴、幻覚など、まったくありません」と潔白の主張を繰り返した。

 ASKA容疑者は、テレビの報道を見ながらブログを更新していたようだ。日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」が、警視庁記者クラブからの情報として、同容疑者が捜査員に対し、電話口で人間不信を告白したと伝えた。これに対してすぐに「ミヤネ屋さんへ。」と題した投稿で「『人が、信じられなくなってる。』なんて、電話はしてませんよ」と反論した。逮捕が迫っている人物が、SNSを通じて心境を語るケースは極めて異例。物珍しさもあって、サイトにはアクセスが集中し、つながりにくくなる状態が続いた。

 同容疑者は今年1月にブログをスタートさせたが、すぐに閉鎖した。その後、今年7月にブログの更新を再開し、多い時には、1日に5度も更新する筆まめぶりで、さまざまな主張を続けてきた。この日も「逮捕へ」と報じられてから、2時間以内に4度も更新して無実を訴え続けた。午後4時21分には「もし、科研が調べたのであれば、無実は証明されているはずです。尿から、覚せい剤反応が出るわけなんてことは、あるわけがないのですから」と捜査に異議を唱える書き込みをするなど、懸命に抵抗を続けた。