昨年11月にHIV感染についてTVで告白し、世界中に衝撃を与えたチャーリー・シーン(51)だが、その後、革命的な新薬PRO-140の臨床実験に参加した結果、もはやウイルスは血液中に検知されていないことを明かした。

 シーンは英デイリーメール紙電子版に、「あり得ないほどに素晴らしい。HIVであると診断された時の状態と、現在の状態には雲泥の差がある。すごいことだ」と語った。

 新薬を開発したバイオテクノロジー会社CytoDynのナダー・ポーハッサン博士も同サイトのインタビューで、シーンの最近行われた2度の血液検査の結果について、「ウイルスは検知されておらず、完全に制圧された」と語っている。

 HIVの治療は通常、ウイルスが定着し、エイズを引き起こさないようにすることを目的とした複数の薬の組み合わせにより行われる。しかし、同社が製造したこの実験的な新薬は、週に1度の注射が要求されるのみだという。

 同社によると、PRO-140はすべてのHIVと闘うわけではないが、HIV感染者の3分の2以上の患者が感染しているR5という素質に対し効果的で、医療専門家らが広く使用すれば、数多くのHIV患者を救うことができるとされている。

 シーンは、「従来の薬で永遠に治療が続くのかと思っていたが、今の自分を見てくれ。新薬を開発したCytoDyn社の天才たちに、とても感謝している」と語っている。(ニューヨーク=鹿目直子)