14年にゴーストライター騒動で話題となった佐村河内(さむらごうち)守氏(53)のドキュメンタリー映画「FAKE(フェイク)」のディレクターズ・カット版DVD発売記念イベントが12日、東京・新宿の紀伊国屋書店で行われ、森達也監督が取材に応じた。

 同DVDでは、佐村河内夫妻が10年以上障害者施設にボランティア活動をしていたことが新たに明かされる。「佐村河内さんは世間的には『障害のある人を利用した』と見られているでしょうけど、そのイメージに揺さぶりをかけられるかもしれないですね」と話した。

 映画は昨年6月に公開。公開直後に追加上演が決まり、現在も一部の劇場でアンコール上映されるなど、ドキュメンタリー映画としては異例のロングランヒットとなった。「世の中の人たちは、まだまだ佐村河内さんの騒動を覚えているってことだと思います。あと、実際に人が亡くなっていたりするわけではないので、少し軽い気持ちで見られるのかもしれない」と推測した。

 オウム真理教の信者を題材にした98年の映画「A」など、ドキュメンタリー映画で知られるが、今後について「今は、また新しい作品を考えて、準備はしています。ドキュメンタリーにこだわってはいないです」と明かした。