歌手クミコ(62)がボーカルを務めるユニット「クミコ WITH 街風レビュー」が3日、東京・南青山ル・アンジェ教会で第2弾シングル「砂時計」の発売記念ライブを「~松本隆の世界を歌う~」と題して開いた。

 10年に「INORI~祈り~」のヒットでNHK紅白歌合戦に出場した実力派歌手クミコが、作詞家松本隆氏(67)と初めてタッグを組む作曲家によって作られる曲を歌うプロジェクトの第2弾。

 「木綿のハンカチーフ」「ルビーの指輪」「セクシャルバイオレットNo.1」「Romanticが止まらない」など日本音楽史上屈指のヒットメーカー松本氏が「砂時計」で組んだ作曲家は、シャ乱Qのボーカルで、モーニング娘。をプロデュースしたつんく♂(48)。

 この日から先行配信リリースが始まった「砂時計」は不倫がテーマ。全11曲を歌い上げたクミコは、ラストに松本氏とつんく♂をステージに呼びあげた。「松本さんは、この曲にどんな詞をつけるんだろうなと思っていると、素晴らしい詞を作ってくる。その世界を、折り紙みたいに立体化してくれる」。松本氏は初めてコンビを組んだつんく♂について「僕はずっと80年代に頑張って、疲れて90年代はおとなしくしようと身を引いた。そこへ、つんく♂さんが出てきて一世を風靡(ふうび)した」と話した。

 喉頭がんで声帯を摘出しているつんく♂はパソコンの画面を使って会話。不倫がテーマだけに「2番の歌詞が妙に重くて、ちょっと驚いたんですが、よく考えたらかわいい乙女心だなって思ったんです。好きな人のことを、よく見てるんだなと。なので、曲自体は重くならずに、かわいい部分をたくさん残して、素直な曲にしたいと思った。ちょうどいいウエットな曲調になったと思います」。現在、ハワイ在住で、仕事の時に日本に来る。「(作っている時は)スキューバーダイビングをしているみたいな気分でしたよ」と笑顔を見せた。

 そして松本氏が見守る中、つんく♂のギター伴奏でクミコが「砂時計」を歌い上げ、拍手を浴びた。