作家の村上春樹氏(73)が12日、都内の早大大隈記念講堂で「村上春樹presents 山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」を開催した。学園紛争の最中の1969年(昭44)7月、ジャズ・ピアニストの山下洋輔(80)が学生と、バリケードで封鎖された早大内で大隈講堂から無断でピアノを持ち出し、4号館で敢行した伝説のジャズライブを、グループ初代メンバーのサックス奏者・中村誠一(75)ジャズ・ドラマー森山威男(77)と約半世紀の時を越えて復活させた。

村上氏は、ライブの前年の68年に早大に入学し、文学部で学んだ。学生時代を振り返り「音楽を聴いて、バイトしたり女の子とデートして忙しかった。早稲田で何か学んだよりか、ストリートで学んだことの方が多かった」と笑いながら振り返った。

ライブは、村上氏が18年8月にラジオDJに初挑戦した「村上 RADIO」を放送するTOKYO FMと早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)が共催。69年にライブを企画、収録しドキュメンタリー番組として放送した、田原総一朗氏(88)も駆けつけ「素晴らしい迫力。50年前と全く変わらない」と感激していた。【村上幸将】