歌舞伎俳優の市川海老蔵(33)が殴られて重傷を負った事件で、傷害容疑で逮捕された伊藤リオン容疑者(26)が11日、警視庁の調べに「殴ったのは自分1人だけだ」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。伊藤容疑者は「一方的に自分が因縁をつけて殴ったわけではない」とも話している。午前10時から始まった伊藤容疑者への取り調べで「複数の人間に殴られた可能性」や「挑発的行為をしていない」とする海老蔵側の主張と真っ向対立する姿勢が示された。

 伊藤容疑者は海老蔵の主張に、自分が一方的に加害者になる流れに危機感を感じたようで「話をしなければいけないと思って出頭した」と供述しているという。さらに伊藤容疑者は「自分はあまり酔っていなかった。事件当日に着ていた服は捨てた」とも話しているという。海老蔵の返り血が付いたため証拠隠滅したとみられている。

 警視庁は、この日の伊藤容疑者の供述が、海老蔵の主張と異なることから、海老蔵からあらためて事情を聴く方針だ。

 [2010年12月12日6時18分]ソーシャルブックマーク