フジテレビ系深夜アニメ枠「ノイタミナ」の2014年ラインアップ発表会で、「踊る大捜査線」の本広克行監督が総監督を務め、12年10月から半年、同系で放送された「PSYCHO-PASS

 サイコパス」の続編が放送され、今冬には劇場版が製作、公開されることが発表された。

 7月から同枠で1期の再編集版、10月から続編「-2」を放送後、それを受けて劇場版が公開される。

 「PSYCHO-PASS

 サイコパス」は、犯罪が「犯罪係数」という数値で裁かれる近未来の警察機構・公安局を舞台に、高い犯罪係数を元に事件を捜査する執行官と、健全かつ冷静な精神のもと執行官が犯罪者に取り込まれないよう監督する監視官のせめぎ合い、犯罪者との戦いを描く。フジテレビの山本幸治チーフプロデューサーは「再編集版は(12年から半年、1話30分で放送された)1期を1時間にして、新カットも入ってるみたい」と話した。

 また「PSYCHO-PASS

 サイコパス」劇場版を第1弾として、映画事業「ノイタミナムービー」を積極展開する方向も示した。その第2弾として、09年に34歳で亡くなった伊藤計劃(けいかく)氏の「虐殺器官」「ハーモニー」をアニメ映画化して15年に公開すると発表した。

 伊藤氏は74年に東京で生まれ、武蔵野美大美術学部映像学科卒業後の07年に「虐殺器官」でデビューも、オリジナル長編第2作「ハーモニー」刊行後の09年に肺がんで死去。作家としての活動期間はわずか2年だが、「ハーモニー」は第30回日本SF大賞と米国のSF文学賞・フィリップ・K・ディック賞で特別賞を受賞した、早世の天才SF作家だ。

 山本チーフプロデューサーは「『ノイタミナムービー』を積極的にやっていく。映画へのあこがれと、『ノイタミナ』10周年というところもあり。伊藤さんの原作は(権利が)取れないと聞いていて、ダメ元でいったら、出来そうだと。テレビでやることを考えるとスケール、虐殺シーンを考えると難しい」と語った。