【ハバロフスク(ロシア)20日=松本久】ストリートミュージシャンあさみちゆき(30)が同地を初めて訪れ、レーニン広場に続くメーン通りでストリートライブを行った。あさみがホームグラウンドにする井の頭公園がある東京・武蔵野市と、ハバロフスク市が友好都市という縁から実現した。

 「こんなに多くの反応が返ってくるとは思っていなかった。すごくうれしい」。最初はわずか数十人だった人の輪が、みるみる膨れあがっていった。ロシアでミリオンヒットの「恋のバカンス」をロシア語と日本語で歌唱するころには約200人の手拍子が、あさみを包んだ。涙をぬぐいながら聞き入る女性に1輪のバラの花を差し出す少年。7曲を歌いきった後は、100人近くに囲まれ即席サイン会になる人気ぶりだった。「日本と地理的に近いから感性が似ているのかな。悲しい歌でも分かってもらえた」。

 06年の中国、昨年のタイに次ぐ3度目の海外ストリートライブで、歌は国境も言葉も超えて人の心に染み入ると再認識。夕方には公園でもライブを行い、約500人が耳を傾けた。「これからも多くの場所でストリートライブをやっていきます」。極東の地で力強く誓った。