群馬、長野県境の荒船山(標高1422・5メートル)で、20日に遺体として発見された人気漫画「クレヨンしんちゃん」の作者臼井儀人さん(享年51、本名・臼井義人=よしひと)の密葬が22日、埼玉県春日部市内の斎場で営まれ、荼毘(だび)に付された。

 遺族の意向で、遺影、祭壇を設けないキリスト教式の葬儀。参列者に道案内する立て看板もなく、斎場内にも臼井さんの葬儀との表記がなかった。斎場関係者によると、近親者や出版関係者ら約30人が故人をしのび、ひつぎの周囲を色とりどりの花で飾り、献花したという。

 出棺時には男性スタッフが出入り口とマイクロバスの間に並んで立ち、遺族や参列者をガード。霊きゅう車の助手席に乗った臼井さんの妻は花を抱えて白いつば広の帽子を目深にかぶっていた。

 葬儀を終えて遺族が斎場を出る際には男性スタッフが車を取り囲んだ上、びょうぶを出し、報道陣の撮影を封じた。

 関係者によると、臼井さんの遺体は20日深夜1時に群馬県警下仁田署を出発後、この斎場に安置されていた。21日夕には、妻や母らが対面したという。

 密葬終了後、「クレヨンしんちゃん」を発行する双葉社側が取材に応じ、「家族は落胆しています」とだけコメントした。お別れ会については「やる方向で来週から話し合う。後日発表します」としている。

 [2009年9月23日9時20分

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