アイドルグループAKB48に、本格的な世界進出の計画があることが2日、分かった。同グループの総合プロデューサー秋元康氏(53)が、都内で大衆文化の発展に貢献したエンターテインメント界のプロデューサーを表彰する「第5回

 渡辺晋賞」を受賞。現在の芸能界の礎となった渡辺晋さん(享年59)にならった日本のアイドルでの海外進出構想を語った。

 秋元氏は、襟を正してスピーチした。「いつもこういう授賞式の構成、台本を書いているので、受賞者はもっと気の利いた言葉が言えないのかと思っていたのですが、本当にうれしいです」。古くはおニャン子クラブ、とんねるずの生みの親で、EXILE「EXIT」も含めてシングル曲総売り上げ枚数4000万枚以上の作詞家でもある希代のアイデアマンも賞の重みから、率直な言葉しか出せなかった。

 渡辺さんはあこがれのプロデューサーだった。「自分では新しいことをしているつもりでも、必ず晋さんの足跡がある。海外進出もそう。情報が少なく規制だらけの昭和30年代に、(タレントを)米国の人気テレビ番組に出演させたのは、すごい」と話す。「渡辺プロダクション」を興して、芸能界のマネジメントシステムを築き上げた渡辺さんは、60年代にザ・ピーナッツを米国のショー番組「エド・サリバンショー」に出演させるなど、海外進出においても先駆者だった。

 秋元氏も、世界に認知度の高い“AKIHABARA”出身のAKB48の世界進出を描いている。昨年7月には、パリで行われた日本のポップカルチャーと伝統文化の祭典「ジャパン・エキスポ」でライブを行ったが、これは「本格的海外進出」という真の目標に向けての序章だった。同氏は、関係者らには「向こうにも専用劇場を造って、ニューヨーク版、パリ版のAKB48を作ろう」と明かしている。日本人メンバーの移籍、現地でのアイドルオーディションと構想は膨らむ。秋元氏はこの日の取材にも「すでにオフブロードウェーでは(日本独自のショーに)取り掛かっています。もう、AKB48のようなメード

 イン

 JAPANのコンテンツで堂々と勝負できる」と言い切った。

 「夢はAKB48のライバルを生み出すこと」だという。国民的アイドルに成長した娘たちに対抗するアイドルを、ニューヨークで誕生させたい。「今のタイミングで、この賞をいただけるなんて、身に余る光栄。進む道が間違っていないと自信になります」。ザ・ピーナッツからAKB48へ…。渡辺さんの遺志も継ぎ、次なるステージへ進む。

 [2010年3月3日8時56分

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