還暦のロック歌手矢沢永吉(60)が30日、東京・文京区の東京大学で、人生初となる学園祭ライブを行った。
この日、正午すぎ。東大構内に信じ難いうわさが流れた。「安田講堂前に永ちゃんが出てくるらしいぞ!」。午後1時20分。イントロが流れると、上下を純白でキメた矢沢が、恐縮気味に恐る恐るステージに上がってきた。もちろん、新曲「サイコーな
Rock
You!」を歌い出すと、一気にボルテージが上がった。
矢沢
矢沢が何で東大にいるんだって?
ちょっと歌ってよって頼まれて、高卒のオレはビビりながら、来ましたよ。
40歳も年下の学生らに笑顔で語りかけた。十数年前の京大をはじめ、何度出演依頼があっても学園祭だけは断ってきた。しかし、3月に東大五月祭実行委員からオファーを受けると「日本最高峰の東大だし、やってみようか」と、初体験のステージに上がった。
矢沢
ウチにも(大学)4年の息子がいます。もちろん東大じゃありません。何年か前に受験勉強で燃え尽きてたから『お前、社会に出るこれからがホンチャンだろ。前のリハでバテてどうする』って言ったんだ。皆さんも社会に出て、明日のニッポンのために頑張ってください!
矢沢は新曲を含む4曲を熱唱した。08年に自社レーベルを立ち上げ、フリーになり、関係者は「昨年末の紅白歌合戦初出場と同じように、身軽になった今、やりたいことをやっています」。東大理科3類の服部貴続さん(2年)は「あんなおとこ気とカリスマ性ある人は初めて。絶対ライブも行く」。今まで接点のなかった東大生だが、一瞬で興奮のうずに巻き込んだ。
[2010年5月31日7時42分
紙面から]ソーシャルブックマーク