カンヌ映画祭(フランス、5月14日開幕)事務局は25日(日本時間26日)カンヌクラシック部門の上映作品を発表し、1954年(昭29)4月26日公開の、黒澤明監督の「七人の侍」を上映すると発表した。

同映画祭は公式サイトで「70歳の誕生日を迎えた七人の侍」と題し、公開から70年を記念した上映であるとした。77回目を迎えた今年のカンヌ映画祭は、公式ポスターにも同監督の91年「八月の狂詩曲」の1シーンが使わるなど“黒澤明イヤー”というべき年となりそうだ。

カンヌ映画祭によると、今回、上映されるのは日本公開70周年を記念してデジタル修復されたもので、4K修復にあたり製作&配給の東宝が35ミリフィルムを提供したと説明した。

「七人の侍」は、戦国時代の貧しい農村で、野盗と化した野武士から村を守ろうとした農民に雇われた、食べるのもままならない浪人7人の闘いを描いた。カンヌ映画祭とともに世界3大映画祭の1つ、ベネチア映画祭(イタリア)で銀獅子賞を受賞。60年には米国で「荒野の七人」(ジョン・スタージェス監督)としてリメークされた。

カンヌクラシックは、映画史に残る名作を復刻版で紹介することを目的に04年に立ち上げられた部門で、今年で20周年を迎える。