ホリエモンことライブドア(現LDH)の堀江貴文元社長(38)が20日、収監のため東京高検に出頭した。旧証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪で今年4月、実刑が確定していた。この日朝に刈り込んだモヒカン頭に「GO

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 JAIL(刑務所に行け)」とプリントされたTシャツ姿で登場した堀江元社長に、悲愴(ひそう)感はゼロ。出頭の模様はインターネットで生中継され、約400人の報道陣や支持者に囲まれると「人生をリセットして帰ってきたい」とにこやかに話した。

 堀江元社長は、会見場所に設定した東京・霞が関の弁護士会館前にモヒカン頭で登場した。騒然とする報道陣ら約400人を前に、「刑務所でお務めをしてまいります」とあいさつすると、ファンらからは「かっこいいぞ~」「早く帰ってこいよ~」の声が飛んだ。

 「ライブドアの株主に結果として迷惑をかけることになり申し訳ない。罪を償って帰ってくる」と神妙な表情で謝罪した一方、会見中もスタッフによって著書をPRするパネルが掲げられるなど、「拝金」の旗印は降ろさなかった。その後、東京高検までの100メートル近くを徒歩で移動。歩道は追いすがるカメラやファンで一時パニック状態に。自身も汗だくで、刈り込んだばかりのモヒカンヘアも乱れた。

 「ネット時代の寵児(ちょうじ)」らしい出頭パフォーマンス。仕掛けは万全だった。同日未明に「13時くらいに出頭することになりました」と短文投稿サイト「ツイッター」に予告。その後も「気合を入れて行ってくるわ」などと、約70万ともいわれるフォロワーに語りかけた。午前11時半からは、動画サイトでの生中継がスタート。六本木ヒルズの自宅でくつろぐ様子から、高検に到着するまでの一部始終がネット上で流され続けた。

 青々としたモヒカン頭は「思い出作り」という。「どうせ『ぼうず』にされるので、1日限りのおしゃれモヒカン。前夜の酒席で思いついた」。「GO

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 JAIL」とプリントされたTシャツはツイッターのフォロワーから贈られたものだ。過去に粉飾決算事件で摘発された企業名も列挙されており、公務員らが行き交う白昼の霞が関では、ひときわ目立った。

 身柄は東京拘置所に一時収容された後、受刑先の刑務所が決まる。確定判決は懲役2年6月だが、刑に算入された40日間の勾留期間を差し引いて、服役は最長で2年4カ月余り。「これまで毎日飲みに行っていた生活がなくなるので、健康になって帰ってきたい。行ってきます」。ホリエモンは最後まで型破りに、高検庁舎に入っていった。【石井康夫】