俳優渡辺謙(52)主演のテレビ朝日系ドラマ「愛・命~新宿歌舞伎町駆け込み寺」(17日午後9時)の制作発表会見が9日、都内のホテルで行われた。渡辺自らが企画し、キャスティングした肝いりの作品。熱烈ラブコールで初共演が実現した女優永作博美(41)はセクシーなミニスカートで登壇し「謙さんが現場を引っ張っていてすごかった」と渡辺の印象を語った。

 題材は現実に存在する玄秀盛氏を取り上げたもので、同氏は弱者を救済するための「新宿歌舞伎町駆け込み寺」を開設した人物だ。渡辺は暴力、ストーカー、多重債務、虐待に苦しむ人々を救う姿に心を奪われた。今回のドラマ作りについて「ジグソーパズルのピースをはめていって、どれぐらい大きくなるのか分からないような感じだった」と興奮気味に話した。

 11年の締めくくりのドラマ。震災の影響は大きかった。石橋冠監督(75)は「震災を経験して、この時期のドラマで何をやればいいのかとぶち当たった。謙さんとは、命がけの仕事をしようと話した」。10月に約20日間の撮影を行ったが、ドラマ名を決めずにクランクインした。石橋監督も「珍しい」と話すが、1週間がたって、話し合いの場で渡辺がふと「愛、命」と口に出した。渡辺は「あまりにもストレート。でも今年ほど命について考えさせられた年はない。愛と命さえあれば他に何もなくても生きていけると、シンプルに考えられるようになった」と名付けた理由を語った。

 結婚後、初共演となる妻で女優の南果歩(47)については「絡むシーンが少なかったのでほっとした。尊敬している女優だが、同じ家の中で同じ台本持って、全然違うことを考えているというのも不思議だった。恥ずかしいですよね~」と大俳優が家庭の顔に戻っていた。【三須一紀】