昨年3月末にNHKを退局した住吉美紀アナウンサー(38)が、フジテレビが4月にスタートさせる平日午後2時スタートの情報番組で司会を務めることが25日、分かった。NHK退局後、初のレギュラー番組となる。番組はフジが12年ぶりに復活させる平日2時間生放送の大型ワイドショー。同局の伊藤利尋アナ(39)が住吉アナとコンビを組む。フジは日本テレビと激しい視聴率競争を展開中。住吉アナは4月改編の目玉となる同番組の切り札として期待を寄せられている。

 住吉アナはNHK在籍中は「スタジオパークからこんにちは」「プロフェッショナル

 仕事の流儀」など同局の人気番組の司会を歴任。07年には紅白歌合戦の総合司会を務め、看板アナとして活躍した。サッカーW杯でもスタジオ進行を担当し、幅広い分野に対応できるアナウンス力と気さくな人柄が起用の決め手になったようだ。

 新番組の内容は調整中だが、同局では新たに情報番組を立ち上げることについて、「東日本大震災以降、あらためて生の情報に対する価値が再認識されています。視聴者からの需要も高まる中、平日午後の時間帯に新鮮な情報を発信する必要性を強く感じ、生放送番組を編成することになりました」と説明する。

 フジテレビでは68年4月に「3時のあなた」の放送がスタート。当時、平日の午後帯は視聴率が取れないとされてきたが、主婦層をターゲットに据えた番組作りが功を奏し、00年3月に「2時のホント」が終了するまで32年間、ワイドショーの放送が続いた。制作費削減などの影響を受け、現在同枠は過去のドラマなどを再放送している。

 改編の目玉だけに男性アナも、フジのエース的存在、伊藤アナを投入する。現在「めざましテレビ」「知りたがり!」にレギュラー出演中。両番組とも平日午前中の放送で、1日3本の帯番組の掛け持ちは物理的にも体力的にも厳しいため、交代を視野に入れて調整しているとみられる。

 新番組の同時間帯には日本テレビ系で宮根誠司アナ(48)が司会を務める「ミヤネ屋」を放送中。連日8%前後の視聴率を記録し、同時間帯のチャンネル占有率は30%台に到達し、安定した人気を維持している。昨年の年間視聴率3冠王の座を争ったフジと日テレ。昼のワイドショー番組でも火花を散らすことになりそうだ。

 ◆住吉美紀(すみよし・みき)1973年(昭48)4月5日、川崎市生まれ。国際基督教大(ICU)卒業後、96年NHK入局。福島、仙台へ赴任後、01年から東京アナウンス室勤務となり「週刊ニュース」「紅白歌合戦」など看板番組を担当。11年3月に退局し同4月よりフリーに。趣味は音楽、ヨガ。特技は英語。インターナショナル・ヨガ・アライアンス認定ヨガ指導資格を持つ。血液型A。<NHKから民放に転身した主な女性アナウンサー>

 ◆頼近美津子さん(享年53)

 81年退局後、フジテレビ移籍。同局初の女性正社員として「小川宏ショー」アシスタントを務める。

 ◆畑恵さん(49)

 89年退局後、テレビ朝日系「サンデー・プロジェクト」。95年に新進党比例区から参院選立候補し当選。

 ◆草野満代(44)

 97年退局。TBS専属契約で「筑紫哲也NEWS23」のサブキャスターに。

 ◆久保純子(40)

 04年退局後、TBS系「ブロードキャスター」などに出演。

 ◆膳場貴子(36)

 06年退局。TBSと専属契約を結び、09年3月から「NEWS23」のキャスターに就任。