<連載「気になリスト」(83)>

 宮沢りえに始まり、蒼井優、夏帆、川口春奈…今をときめく女優たちを輩出しているリハウスガールの14代目、山本舞香(15)は、鳥取・米子市でネギ畑に囲まれて元気に育った。小学1年生から空手を習い、県大会にも優勝する腕前だったが、10年夏、中学1年で転機を迎えた。地元のタウン誌「鳥取美少女図鑑」に掲載された写真を見た現在の所属事務所がスカウトに訪れた。

 「うれしかったです。スカウトされるちょっと前くらいから、モデルになりたいなって思うようになったので」

 芸能界入りして半年後、早くも夢がかない、ティーン向け雑誌「nicola」(新潮社)の専属モデルに決定した。11年7月放送のフジテレビ系ドラマ「それでも、生きていく」で女優デビューを果たすと、強い目力と凜(りん)としたたたずまいが確かな印象を残し、その後もドラマ出演が相次いでいる。9日スタートのフジテレビ系ドラマ「幽かな彼女」(火曜午後10時)では、中学教師役の香取慎吾が担任を務めるクラスのいじめっ子役でレギュラー出演する。

 「過去にいろいろあって、いじめられる気持ちも分かってて、じわじわいじめていく役なんです。強気で負けず嫌いなところは似てる…かな」

 まだ15歳。いじめっ子役を演じる怖さはないかと尋ねると、「お芝居で(本当の)自分じゃないから、怖い思いはないです」。最近、女優の楽しさに目覚めたという。

 「最初は台本を読んでもその役がつかめなかったんです。でも近ごろは“この子はなんでこういうことをするのか”を考えながら演じるようになりました」

 4月から都内の私立高校に進学するため単身上京、これから本格的な芸能活動を始める。大好きな映画「キル・ビル」に出演した栗山千明が目標だ。

 「髪形も印象的でかっこよかったし、アクションも素晴らしかったです。ハリウッドで活躍できる女優さんになりたいです」

 吸い込まれそうな瞳に、無限の可能性を感じた。【今西孝江】

 ◆山本舞香(やまもと・まいか)1997年(平9)10月13日、鳥取・米子市生まれ。10年12月、初めてのオーディションで14代目リハウスガールに選ばれ、翌年5月デビュー。NHK大河ドラマ「江」をはじめ、テレビ朝日系「13歳のハローワーク」、TBS系「大奥」など。ソフトバンクのCMにも出演中。特技は空手で、小学6年の鳥取県大会で優勝し、現在は初段。154センチ、血液型B。(4月4日付

 紙面から)