フジテレビ在職中に不正流用疑惑騒動で処分された同局元アナウンサーの長谷川豊氏(37)がフリーアナウンサーとして再始動することが24日、分かった。関係者によると、7月中旬に都内で行われる映画「生贄のジレンマ」(7月13日公開、金子修介監督)の舞台あいさつで司会を務める。騒動後、初めての公の場となり、発言が注目される。

 同作は、卒業間近の高校3年生が学校に閉じ込められ、いけにえをささげなければ全員が死亡するというサバイバルミステリー。プロモーション映像(1分30秒)では、同氏がかつて出演していたフジテレビ系「とくダネ!」風のスタジオから事件を伝えるアナウンサー役として出演。出演時刻も午前8時25分からと当時をほうふつさせる。

 長谷川氏は、フジテレビ退社翌日の先月2日に個人ブログを始め、ニューヨーク支局時代の滞在費関連費用の不正流用問題について「横領ではなく不動産取引上のトラブル」と主張した。ブログを運営するライブドアによると、19日間の閲覧数2400万PV(ページビュー)は、一般人ブログでは日本記録。初仕事のオファーもブログがきっかけで、同作関係者が「長谷川さんは社会のいけにえっぽい。言い分も理解できる点がある」という思いをコメント欄で伝え、同氏が快諾するに至ったという。

 待望の初仕事に、長谷川氏は「約1年ぶりに撮影でピンマイクを付けてパートナーを取り戻せた。これから失った1歩を取り戻して『特ダネ』を伝えていきます」と意気込んでいる。事務所には所属しておらず、テレビ復帰の予定はないが、企業などから講演会の依頼が続々とブログに届き、今夏には騒動にも触れた著書を出版するという。

 ◆長谷川氏の不正流用疑惑騒動

 ニューヨーク支局に勤務していた昨年6月、滞在費関連費用の不正使用があったとして業務規定違反で降格処分を受け、本社の編成制作局編成情報センター著作権部に配属された。今年4月1日付で退社。個人ブログでは、疑惑について「不動産上のトラブルに巻き込まれた」と反論。不動産賃貸契約の際に、敷金を仮払金の200万円で支払い、領収書のやりとりなどが争点となっている。